2008年10月31日金曜日

日陰の稚樹に、太陽の光と未来を

先日、地域の森の再生事業ボランティアに参加してきました。
近年、木喰い虫や気候変動によって森が失われてきています。道路などの建設事業によっても失われてきています。
美味しい空気。美味しい水。森の力は、人間が生きていく上でも、とても重要なものです。
それに、地球は人間だけのものではなく、動物たちや、植物、虫たちのものでもありますよね。
だから、森を大切にしていきたい。

森のなかを歩くと、日陰で細々と立つ若木が、結構たくさんあるんです。
山もみじやコナラ、ミズナラ、ヤマツツジ。まだ、稚樹と呼ばれる、木の赤ちゃんです。

でも、稚樹たちの運命は、儚く悲しいものなんです。

森の木々は、いつか老いて倒れてしまいます。もしかすると雷にうたれて燃えてしまうかも。人によって切り倒されるかも。虫や動物たちに食べられたり、菌がついて病気になって死んでしまうかも。

でも森は、ちゃんとそんな時のために備えて、木の赤ちゃんを生んでいるんです。
ところが、森の大木たちが元気に立っているうちは、その木の赤ちゃんは、太陽の光が足りず、枯れていってしまうのです。

森は、『もしも』のために稚樹を産み続けます。稚樹は、その日のために、死んで、そしてまた生まれる。
森の新旧交代は、長い地球の時間で行われますが、森の下木たちは、そういった生と死という営みを、小さく繰り返しているのです。

人間は、森を壊しつづけてきました。これからは、森を必要とする場所に、人工的に木を植えていってあげなくてはならない時代となったのです。

だから、本来、日の目を見ることがなく、大木の影でひっそりと枯れていく運命だった稚樹たちも、私たちの手で、太陽の下に出して、大きく育ててあげて、植林をし、その若木に未来の地球をゆだねたいのです。

「日陰の稚樹に、太陽の光と未来を」そんな思いを込めて、森のなかの稚樹を掘り起こし、育樹用の場所に移してきました。
これからも、森再生ボランティアをしていきたいと思っています。

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