10月のある秋晴れの暖かい日。友人の子供たちと柿とりに行きました。子供たちが、喜んでとってくれたお陰で、山ほどとれました。そのとき、熟した柿が木から落ちてきて子供の体に、ぼちゃ!柿爆弾が直撃して、大笑い。なんだか、素朴で懐かしい一面でした。
私も、子供の頃、柿爆弾の洗礼を受けたことが何度もあります。落ちている熟柿に足を滑らせて、すってんころりん。尻餅をついて、お尻にべっとりジュクジュク柿をつけて、家まで帰ったこともありました。
この季節になると、市町村から、熊に注意するように呼びかけられます。その呼びかけのなかに、『収穫予定のない柿は、早めに落とすこと。住
宅地近くの柿の木は、なるべく枝を切っておくこと』などがありました。
近年、柿の木は、切り倒されて少なくなっています。
先日、散歩に出ると、熊の糞をみつけました。民家にも近く、町の人たちが行く銭湯の近くの細いあぜ道でした。よく見てみると、糞のなかに柿の種がいっぱい。私は、「よしよし、柿の実を腹いっぱい食べているな」と、ホッとしました。
私はカナダの田舎町に住んでいたとき、住民たちが、熊を危険視しながらも、共存している姿を見ていますし、牧場で働いていたときなどは、裏山で熊が子育てをしていました。でも、なにも気にすることはありませんでした。人間だけが、この地球の住人ではないのですから。
熊は、もちろん人間よりも強い動物ですから危険です。でも、森に食べ物がなく、しかたなく山村に下りてきてしまった熊に、さらに「喰うな!」とばかりに、柿の木を切り倒したり、実を落としてしまったりして、熊が出ないようにするよりも、熊が腹いっぱい食べて冬眠できることを、手助けしてあげるほうが、理にかなっていると思うんですよね。
それには、野生動物たちの食べ物が豊かな森をつくるという壮大なプロジェクトになるのですが。
今、できるならば、熊の活動時間の夜や早朝は、人間は家でテレビでも見て、ゆっくりしていましょうよ。 熊を見ただけで、キャーキャーと騒いで役所に通報して、猟銃会が銃をもって歩き回るより、熊を見ても、どっしりとした心で、「おう、元気でやっとるな」くらいの、そんな心の余裕が、日本人にも欲しいなと、思いました。
再度書きますが、地球の住人は、人間だけではないのですから。
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